太陽系外惑星の研究:「第二の地球」はどのように存在するのか


木星型惑星イメージイラスト

太陽系の外の、太陽とは別の星の周りに、惑星が見つかり始めています。これらは「太陽系外惑星」と呼ばれています。略して「系外惑星」とも呼ばれます。

すでに多数の系外惑星が見つかり始めています。その数は700個以上にも上ります。加えて、まだ未確定ですが系外惑星の候補となると2000個以上です。

この宇宙には、おそらく私たちが住む地球に似た惑星も存在しているのでしょう。果たして、「第二の地球」と呼べるような惑星は、この宇宙に実際に存在しているのでしょうか。

そして、様々なタイプの系外惑星がすでに発見されています。望遠鏡による観測から、太陽系外惑星は太陽系の惑星と似たようなものばかりではないことが明らかになってきているのです。また、太陽とは異なったタイプの星の周囲にも系外惑星が見つかっています。

この宇宙では、様々な環境に、多種多様な系外惑星が存在しているようなのです。これらの系外惑星には、いったいどのような世界が広がっているのでしょうか。下の図は、海洋惑星(オーシャン・プラネット)の想像図です。惑星全体に海が広がる系外惑星も存在するのかもしれません。

海洋惑星(水の地球型惑星)のイメージイラスト。惑星全体に広がる海

こういった太陽系外惑星の謎を明らかにしていくために、その特徴を理解することが重要になっています。系外惑星そのものの特徴や、系外惑星が置かれている環境、そして、どのような環境から生まれてくるのか、総合的に調べていかなければなりません。

太陽系外惑星やその環境について、理論物理の観点と観測の両面から研究を進めています。


【惑星誕生現場での小さな渦巻き構造の発見】

すばる望遠鏡の新型装置を用いて、惑星誕生現場である円盤状の雲(原始惑星系円盤)の様子が非常に高精度に撮影されました (天体名:SAO 206462)。その結果、円盤状の雲が渦を巻いているような構造が発見されました。SEEDS プロジェクトの国際的な共同研究です。

  • 論文: T. Muto et al. "Discovery of Small-scale Spiral Structures in the Disk of SAO 206462 (HD 135344B): Implications for the Physical State of the Disk from Spiral Density Wave Theory" The Astrophysical Journal Letters, 748巻, L22(7pp), 2012年

惑星が誕生する現場の鮮明な画像

ぎょしゃ座にある若い星(名前:AB Aur)を取り巻いている円盤状の雲の観測成果が得られました。星のすぐそばの部分の撮影は難しいのですが、新型装置を用いて円盤状の雲からの偏光(光の振動の偏り)をとらえることで、これまでにないレベルで星のすぐ近くまでの撮影に成功しました。円盤にはリング状の模様など、特徴的な模様が観測されました。巨大惑星が生まれていることが示唆されます。

すばる望遠鏡の新型装置HiCIAOを用いた、円盤からの偏光の観測の最初の成果です (SEEDS プロジェクト)。査読付論文誌に受理された国際的な共同研究です。理論面から解釈と議論に貢献しています。

  • 論文: J. Hashimoto et al. "Direct Imaging of Fine Structures in Giant Planet-forming Regions of the Protoplanetary Disk Around AB Aurigae", The Astrophysical Journal Letters, 729巻, L17(6pp), 2011年

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